●カラダのふしぎ。
さて、ラマダンも今日で4日目…かな?5日目だったかな?
去年はサボってしまったワタクシも、今年は今度また撮影の仕事でお世話になる老人に「お礼?そんなものはいりませんよ。あなたが良いムスリムになってもらえるよう、私は私にできることをしましょう」なーんて言われてしまったので、そのココロに応えるために、せめてラマダンくらいきちんと参加しようではないかと思い立ったのが原因です。(よこしま。)
良きムスリムへの道は行動で示せと言われますが、こんな小さな優しさに出会うごとに、私なんてついこんなふうにグッときてしまうのですから、きっとまさにその通りなのでしょう。
さて、このラマダンの日々、私はやっぱりなまけものですし、実はまだムスリムなわけではないので、朝起きて食事を食べて断食に向かう…なんていう殊勝な事はできません(笑)
日没後のフトールを食べたら、寝る前にしっかり水を飲んで、後は翌日のフトールまで断食。
食い気よりも眠気をむさぼりつつ、やっぱりけっこうフラフラです。
けれども不思議な事に、1日何も食べないので、味覚がだんだん「味」という強い刺激に惑わされなくなってくるのでしょう。
断食が明けて水をゴクリと飲むと、これが「甘い」のです。
食べないでいると、味の幅が広く感じられるような気がします。
水が甘い、で思い出したのは、かつて高校生だった時に出かけた山形での山伏修行の日々の事。
夜になると修行堂でドクダミやらぬかやらとうがらしやら…といったものを炭火で燃やして、堂内をそれはヒドいにおいと刺激のする煙で満たす修行があったのですが、これが本当にツラい!
少しでも呼吸を乱すと、とうがらしのせいで咳が止まらなくなるのです!
ところが、この修行を終えて扉を開き、外に出るとなんと!
空気にこんな味があったのか?!というような、甘くて濃密な味わいがあったのです。
「甘い!空気が甘い!空気に味がある!!」と、かなり衝撃を受けた事を思い出します。
時々ちょっと日常と離れた事をしてみるというのは、自分の体や、自分の周りを取り巻く環境を、また違う角度から感じる機会なのかもしれません。