モワイアン・アトラス、ケニフラ近郊の土地の民族歌舞やリズムを取り入れ、都市を中心に栄えた「シェイハート」というスタイルがあります。
現在はほとんどが庶民の結婚式で電子楽器をを伴い演奏されますが、もとは遊牧民の独身の若者が孤独なテント内で切ない思いを歌うことからはじまり、常にシェイハートの歌詞は「恋愛」がテーマとなっています。
たいていカマンジャ(アルト・バイオリン)やリュートとベンディールの伴奏ですが、歌そのものはアッヒドゥースの導入の「Izlan」に非常によく似ているそうです。
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ケニフラから数キロ離れた小さな村で生まれたCherifaが歌うのもこのスタイル。大自然で培った歌声で16歳から地元の結婚式やお祭りで活躍をしていたとか。
それから、モロッコ歌謡界で最も有名なアトラスのライオンとも言われる歌姫Najat
Aatabouが歌うのもシェイハートに近代エジプト音楽をブレンドさせたもの。
モロッコ独特のアトラスっぽさを思わせるカマンジャのメロディとベンディールのリズムに壮大でなおかつ調子のよいオーケストラが加わり、パンチが効いた聞き栄えのある音。Najat
Aatabouのカセットテープはアラブ世界だけでも何百万コピーも出回っている驚異的存在。 |