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2003年度上半期ベストCDランキング
presented by NN

今回は、できるだけマグレブ関連のものを重視しました。
日本で手に入るものも結構ありますので興味ある方はぜひ探してみてください。ちなみにフランスのFNACではすべて購入可能です。
それにしてもここんところ、ものすごい勢いでアラブ系ミュージシャンの世界制覇が進んでおります。(これは私だけが思っていることではないのです!)
これからどんどんアラブ系の音を聴くことが多くなるに違いありません!


1位 113 『Dans L'urgence』
フランスで爆発的人気113の最新作。前回のアルバム「FOUT DE LA MERDE」に7曲追加されたもの。シェブ・マミやマリのウム・サンガレとのデュエット曲も入っている目からウロコの豪華盤。このくらいワールドな幅をきかせ、しかもかなりクールなラップはフランス以外の国でははまだまだ見かけない気がします。(最近はパンジャビMCが注目されてますけど…)

2位 Souad Massi 『deb』
ファーストアルバムに比べ、今回のアルバムでは一気に国際派シンガーになってしまった印象です。アコースティックなフォークシンガーとして謳われていたスアドでしたが、今回のアルバムではフラメンコ、アンダルース、シャアビといろんな要素を取り入れています。以前、故国アルジェリアではロックバンドで活躍してたそうですから、フォークソングで落ち着くわけがないのです。今後どうなっていくのだろう…。
タイトル「deb」とはアイスクリームが暑さでみるみる溶けるように、壊れていく心の儚さを表現しているようです。

3位 Cheba Zahouania 『yana yana』
ゼウアニアおば様の待望のニューアルバム。
たまらないしゃがれ声とど迫力が味わえ、リミッティの後継者になれそうな貫禄も出てきました。多くのライ歌手が彼女との共演を夢見ていたというのも一目瞭然です。何故か最近ライ歌手のトレンドになっているハーモナイザー(声を電子的に処理した)がかかった曲が多いのがちょっと気になるけれど…。

4位 Iness Mezel 『Len』
カビリー系の才能あるミュージシャンが次々と登場です。(このアルバムは2作目)カビリー人の父親とフランス系イタリア人の母をもつイネス。ラテンやジャズ・フュージョンや時にはアフロ・ビートを刻むパワフルな音を出してます。スアド以上に洗練され、土着性はないですが、温かみのある柔らかい声はやはりカビリー系と納得です。このグルーブ感なら日本でも普通にうけそうです。

5位 L'officiel du Rai
最近どれも似たような内容のコンピレーションが多いので買うことが少なかったのですが、久々に欲しいと思えるような内容でした。ハレドやマミの新曲も入っているし、その他の曲も持っているものがほとんどでしたが、ライらしいライと言えるような私好みの選曲でした。

6位 CLOTAIRE K 『Lebanese』
レバノン+エジプト系のコロテイルKというラッパーがフランスでどうも人気なのです。アラブ諸国ではアルジェリアが唯一のラップ王国だったのですが、中東からも新星が登場しちゃいました。
もちろんアラビックでメロウな旋律に、キレるアラビア語のラップ。いやぁ、カッコいいですねぇ!

7位 Jane Birkin 『Arabesque』
『Arabesque』のステージで来日して、話題を呼んだばかりですね。数々のライ歌手との共演を果たしてきたプロデューサー兼ヴァイオリニストであり、フランスにおけるマグレブ移民音楽の生き字引とも言われるジャメル・ベニェレス(Djam & Famのメンバー)によってシャンソンに新しい風が吹き込みました。ゲンスブールの名曲がインプロヴィゼーション的アラブ・ヴァイオリンの音色に包まれながら聴くことができるのです。
これは、まさに現在のフランスの姿なのです。

8位 Kad Achouri 『Liberte』
アルジェリア、ベルベル系とスペイン人の両親を持ち、フランスで育ったというミュージシャン。どうもロンドンのクラブ界では注目株みたいです。ポール・エリュアールの詩によって、アシッド・ジャズをベースに仕上げている非常に質の高い作品。さすがナターシャ・アトラスにも曲を提供しているのだとか。これが地中海グルーヴなのか!

9位 Natacha Atlas 『Something Dangerous』
前作アルバムの「I PUT A SPELL ON YOU」が春に公開されたパレスチナ映画「D.I」の主題歌に起用されていたナターシャ・アトラス。最近はすっかりクラブ・シーンには欠かせない人になってしまいましたが、アルバムは2年ぶり。いつものグルーヴ感はもちろんのこと、さらにハイブリットな内容になってます。エスニック・トランスの女王とも言われるようになりましたが、この先どこまで行ってしまうのだろう…。

10位 Gnawa Diffusion 『Souk System』
メジャー移籍第一弾です。とにかくジャケが派手です。隅から隅まで見ているとビン・ラディンやブッシュなど現在の様々な世界情勢への皮肉をほのめかすような内容なのです。(CDの盤はクスクスになっている)
音的にはいつもの通りにレゲエに傾倒しならがらも、今回は特にグナワへのリスペクトが強く感じられる作品です。が、やはり濃ゆ〜い音好きな私には物足りなさが残るのです。どうしたもんでしょう…。

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