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旅行中、モロッコ人のおじさんと仲良くなり、彼の家へ夕食に招待されました。
後でお金のことでもめるのは嫌だったので、材料費の50DHを僕が払う約束でお伺いさせて貰ったのです。
彼は勿論、家族皆とても親切にしてくれました。家庭料理も大変美味しかった。
でも、最後に彼は150DH請求してきたのです。
あれ、約束と違うよ。
彼は小声で「家族の手前、50DHじゃ足りない」と言うのです。僕もにこにこしている家族の前で値切るわけもいかず、150DHを支払いました。
この件についてはえらく考えさせられました。
一瞬がっかりしましたが、親切って何だろう、あのおじさんは別に当たり前のことを要求しただけなんじゃないか?と。
旅行に行くと、家に招待されたり、おごって貰ったりってことがよくあります。
誰かさんの旅行記の記述じゃないけど、自分はそういった人々の親切というものを食い物にしてるんじゃないかと気づきました。
いえ、前から薄々感じてはいたんです。
そういった“親切を受けること”、そのもの自体が旅の目的になってしまっている。
外国旅行をし始めたきっかけは、見たこと無いもの全部見てやろうと思ったからのはずで、けっしてそういった“親切を受けること”を目的にしていたからではない。
金持ち日本人が、日本よりも貧しい国の人々からどのくらいおごって貰ったか・ご馳走して貰ったかが、その国の人々の親切の度合い、その国の評価になってしまっている。
結局今回の出来事が正しいのか悪いのか、僕には未だ分かりません。でも、これからの僕の旅行のスタンスについて考えさせる要因となったことは間違いありません。
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