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はたしてモロッコ人はどのくらい稼いでいて、いったいどのくらいが生活に必要なのか。旅をしていいるだけでなんとなく「こんなものか」と思うこともありますが、上と下の差がとにかく激しいモロッコ人の暮らしは、旅人が「こんなものじゃないか」と簡単に想像できるほど単純ではなかったのでした。
旅しているとお世話になる日用品や果物も、日本の物価に慣れた私達には安いと思えることもあるし、逆にヨーロッパ人でさえ、「なんでこんなものがヨーロッパよりも高くなくちゃいけないの?」と、スーパーマーケットで悲鳴を上げている事もしばしば。
先進国の人間にとっての「当たり前」は、モロッコの場合、多くが輸入品でまかなわれているために、贅沢ではなくて、普通の暮らしをしようと思ったら、ついつい高くなってしまいます。
外国人が東京の紀伊国屋で買い物をするのは、国で買っていた普通のブランドを買っているだけなのよ、という気持ちであったとしても、日本人にはそれが非常に贅沢であるのと同じ事です。
貧富の差の大きいモロッコ社会では、1キロの肉が大ごちそうの家庭もあれば、何種類ものメニューが出てきて当たり前のお家まで。同じ1キロの肉に対して払われるお金でも、当然その重みはまるで違ってくるわけです。
総じて言えるのは「この給料でどうやって暮らしているのか分からない」ということ。
給料から家賃や食費を引いたら何も残らないくらいなのに、どうしてこんな笑顔で「いいから家にいらっしゃい!家族の家にいると思ってくつろいでいってね!」と言うことができるのだろうかと、彼等の懐事情を知れば知るほど、彼等ほど切羽詰まっているわけではない自分が、なんでも割り勘にしようとしたりする事を恥ずかしく思うのでした。
その日の生活にも困る人がいる一方、日本でもなかなか見かけないようなスケールのお金持ちを見かける事も少なくないモロッコ。
社会がはっきりとそれぞれの生活クラスに分かれているモロッコのような社会における物価の感覚を考えてみるのはなかなか難しいことですが、お買い物の参考に、そして彼等の暮らしをイメージしてみるために、ここで生活にかかわるお金のいろいろを集めてみました。
※1DH=14〜15 円 ざっと計算する場合は 1DH=10円。
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