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モロッコに住む「モロッコ人」は、アラブ系とベルベル系に大別され、それが人口の99パーセントをしめています。
モロッコに生まれ育ったんだから、どちらもモロッコ人でいいじゃないか、と思うのですが、彼等の心のどこかには、実は「一緒にしてもらっちゃ困るんだ」という意地みたいなものがあるのです。
外国人的にはどちらも変わらなく思えるのですが、せっかくなので、そのこだわりの理由にも、ちょっぴり耳を傾けてみようではありませんか。
「あいつはベルベルだから頭が固い」
「俺はアラブみたいに嘘つきじゃない」
などなど、お互いの悪口を言い合うようなセリフは時々聞かれます。
アラブ系は「モロッコの歴史を作ったのはおれたちだ」と主張するし、ベルベル系は「はじめからここに暮らし、独特の文化を築いていたのはおれたちだ」そんなふうに主張して譲りません。
いまさらそんな古い事を持ち出さなくても…と思えるのですが、モロッコの歴史もまた長く、その中でお互いがお互いにどんな感情を持つようになったのかはガイジンにはそう簡単には見えてこないのです。
部外者にはどっちもどっちのことが多いこの違いではありますが、旅人としても、どーうも商売のやりかた、その他特に商売をめぐってのけじめのつけかたなんかをめぐって、多少違いがあるような気がしています。
実はこの、どうでもよさそうな違いの背後にも北アフリカのおもしろい歴史の影が見えかくれ。彼等がこだわる違いのわけを覗いてみましょう。 |
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