旅の情報編03:土産屋の真実?!
土産屋、ぼりの手口 お土産選択のポイント


 
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絨毯の嘘と真実

いったい何度、じゅうたんの売り口上を聞いたことでしょう。
モロッコのお土産のなかでも一番華々しいし、自分が布やじゅうたんといった織物がすきということも手伝って、どこでも毎度、なんにも知らないふりをして、じっくり耳をかたむけてしまいます。

これはトゥアレグのもの、ノマドのもの、というのは全国に共通してよく聞く口上。
中には同じものに異説を唱える土産屋もいて、これは結婚式のために女性がつくるもの、これは男の作るタイプのものなどなど。
その他にも、カーペットの模様は文字の代わりで、そこには部族のいろいろな物語が描かれているのだ、とか。じゅうたん一つとっても、実にさまざまなモロッコ事情がかくれているようで、ますます興味をそそられます。

けれどもあまりにもたくさんの説があるじゅうたんの柄についての説明、生産者についての解説ですが、そのほとんどは売るための美辞麗句。
染料についての説明も同じことです。
本当はそれぞれの絨毯にきちんとした歴史や伝統があるのに、お土産屋さんはそういった文化的な視点から話をしてくれることはほとんどありません。

原色の毒々しい色を前にして、どうするとこれはサフランだとかミントだとか言えるのだろうと思ったりしつつも、どこかで「ほー」と思っている自分がいたりするのに、一人笑ってしまうのでした。
やっぱり旅人がお土産に求めているのは、文化も文化ですが、ちょっとロマンティックな話題に彩られた嘘でもあるのかもしれません。
 
  絨毯の産地
さて、じゅうたんには店員ののたまう由来とは別に、モロッコ国内にいくつか有名な産地があります。
タイプとして大別されるのは、
ラバト(首都ラバトで作られているもの)、フェズ、シシャワ(マラケシュからエッサウィラに向かう途中のエリア)、タズナフト、ゼムール等です。
絨毯はやはり興味のある方には興味のある分野なので、モロッコでも本屋さんできれいな写真がたくさん載った専門書を買う事ができますので、ぜひ覗いてみてください。

日本人のお土産として軽量、かつ安価なのが元々はタズナフトで生産されるグラウィと言われるタイプの絨毯に使われた一部の技術を取り出して作られる、アフニフ、というタイプ。
平織りで幾何学模様がかわいらしく、日本のモダンな空間にもなじみやすい絨毯です。
 
  絨毯の購入にあたって
じゅうたん購入の際に注意していただきたい一番かわいくない嘘がこれ。
ガイドブックにも書かれていることですが、『モロッコ産のシルクのカーペットはない』ということです。
土産屋はこちらの無知につけこんで、「アガディールの方で少しとれる」とか言うこともあるのですが、どうでしょう。少なくとも、私はこの国で蚕に出会った事はありませんし、仮にいるのだとしても、絹はモロッコではそれで絨毯が作れるほど豊富にとれるものではありません。

ペルシャ等の本物のシルクのカーペットは大変高価なので、通常は鑑賞用で、お店で普通に売られているようなものは、大きさもバスマット程度。
また、世界的にもイランやアフガニスタン方面の品物が有名で、模様も緻密でまさに芸術。パキスタンなどの大きなじゅうたん問屋などでも、それだけは別に大切に扱われているものですから、モロッコでも、そこらの土産屋に山積みにされているはずがありません。

モロッコでシルクだ、といって見せられる光沢のあるじゅうたんや平織りのじゅうたんは、大概コットンである場合が多いです。
また、モロッコで「シルク」と言われるのは絹糸の事ではなく、どうやらお土産屋さん達の一般呼称として、(染物屋曰く)サボテンからとれる光沢のある繊維のことを「(モロッカン)シルク」と呼んでいるようです。

また本物の絹糸は、燃やすとじりじりと髪の毛が燃えた時と同じようなにおいがしますが、コットンの糸は、ぽっと燃えて灰になってしまいます。そんなことからも見分けることができますから、どうぞこのセリフにだまされることのないようにしてくださいね。
もっとも、みせてもらったそのじゅうたんが自分に十分美しく思えるなら、素材も産地も関係ないことではありますけれど!
 
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