旅の情報編02:トラブルを避けるために
誰かのお世話になるのなら 自称『トモダチ』を考える


 
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チップについて

モロッコでは、本当に心から親切にしてくれる人もいる一方、ただではなさそうな親切にであうこともしばしばです。ゆっくり旅をしていればいずれはつかめるお礼の基準ですが、そんなに長いこといる方も少ないでしょうから私が感じた範囲のチップ、及びお礼の目安ちょっぴりをしるしておくことにします。

まず、モロッコではチップはすでに都市部を中心に、国民の間でも確立している習慣だということを知っておいて下さい。
たとえばカフェで細かいお釣りをテーブルに残して帰ったり、旅先で思いがけない親切に会ったとき、自分の荷物をいい場所に置いてもらいたいとき、靴磨きの少年がお金の分以上に上手に磨いてくれたとき…。
こんな時はまたいつ会えるとも知れないその人に、モロッコ人もチップ、というかお金で気持ちをあらわそうとしたりするのです。

旅をしていて、自分とその回りの出来事に集中していると、それがまるでツーリストだけに要求されている事のようについ思えてしまうかもしれませんが、実はそうではありません。
お互いができる形で支えあっているような社会ですから、よほど困ったモロッコ人でないかぎり、意外とみんなきちんと渡しているものなんです。

バスの荷物の上げ下ろしやタクシーの荷物代なんかをめぐっては「払う必要はない!」と喧嘩腰のツーリストを見かけることが人種を問わず本当に多いのですが、これに関しては実際モロッコ人もよほど貧しくでもないかぎり払っていること。ですからここを御覧のみなさんにはぜひ、払うことが必要なチップもあるのだということを忘れないで旅してほしいなと思っています。
(実際、こういった領収書の出ない部分の出費が思いのほか多いのがモロッコの生活です)

彼等の習慣は彼等の習慣。
私達にそんな習慣はないのだから、彼等にあわせる必要はないと断言するツーリストも中にはいますが、モロッコを好んで訪れているのは私達旅人の方。彼等は旅人に都合良くモロッコを演出してくれる役者ではないし、好き好んでモロッコにやってくるツーリストの国の習慣にあわせて相手をしなければいけない義務もありません。

貧しい国なのに、そんなに払う必要はない!と、つっぱねてばかりいると、思わぬトラブルに発展しかねないのもまた事実。たかがチップではありますが、あったかいカフェオレでも飲みながら、ついいろいろ考えてしまうことの一つなのには違いありません。
 
チップの渡し方
本来のモロッコ人は、チップの習慣がありませんでした。
今では旅行回りを中心に、日常生活の中でもごくごく当たり前の習慣になってきていますが、まだまだそれをあからさまに受け取る、ということには抵抗のある人々です。

また、チップというのは渡す側にとってもある程度「気持ちですから」というつつましいものであるので、「ほら、やるよ」とばかりに、これ見よがしにお札を握らせる、というのは正しい渡し方ではありません。

ですので、せっかくですから日本から日本らしさの感じられるポチ袋(お年玉を入れる時に使うような小さな袋)を持って来て、それに入れて渡すと、つつましさだけでなく、日本文化も感じてもらうことができるので面白いかもしれません。

モロッコではどのように渡すかといいますと、カフェ等でおつりを残す程度のチップではなく、お札が登場するようなチップになる場合、小さくたたんだお札を手のひらの中に仕込んで、お別れの握手をするときにさりげなく相手の手に残して来る、というやりかたをします。
 
チップ・金額の目安

そもそもチップは「心付け」。
けれども、モロッコではよほど最悪なサービスでもないかぎり、基本的にはなにがしかのお礼を残すのが慣例となっています。これはフランスの影響なのですが、役人の「袖の下」も、フランスの置き土産なのだとか。

ところで、チップなんて払いたくなくてしょうがないツーリストにありがちなのですが、なにかしてもらった時のお礼として1DHというのは、正直渡さない方がいいくらい。
時にはしてもらった事に対するお礼の方が、自分がしようとしていたことより高くついてしまうという事もありますが、1DHというのは、どちらかといえば喜捨を願う人々に渡す金額、あるいは子供のおやつの金額です。

モロッコ人でさえ、路上パーキングの整理係に1.5〜2DH、バスの荷物のポーターで3〜5DHくらいは考えているようですから、大の大人に1DH渡すくらいなら、いっそ渡さない方がいいかもしれません。
中にはばかにされていると感じて怒る人もいるはずだろうというくらい失礼ですので気をつけて下さい。

■ 自称ガイド・公認ガイド

一番トラブルの起きやすい自称ガイドなど、一日中「丁寧に」つきあってもらって100〜MAX150DHというところ。いくらそれ以上要求されても、ひとまずはこれで足りてます。よっぽどやばそうな状況でもない限り、これ以上は必要ないといっていいでしょう。

公認ガイドの給料は宿泊を伴わない1つの街のみの案内の場合、給料は1日300DH。チップ、ということでこれとは別に渡すのは、やはり100〜200DH、満足度に応じて、ということになります。

■ 団体、個人旅行時のドライバー
四駆等のガイドを兼ねるドライバー:1日100〜200DH程度
大型バスのドライバー:1週間でお客様一人当たり50〜100DH
大型バスの補助スタッフ:上記金額をドライバーと分け合うのが慣例

■ 一般的なお礼
私の観察では、モロッコ人同士がちょっとありがとう、といって「お礼」として渡すのは10DHから。
田舎の村などで思いがけずお昼をごちそうになったり、お土産を持たせてくれたりなんていうときは、相手も受け取ろうとはしないものの、同行のモロッコ人は20〜30DHくらいのお礼を渡していました。バスでいい席に座りたいときなどで10〜20DH、いわゆるチップとして残したり渡したりするのは10DH以下というところでしょう。

■ ホテルでのチップ
4つ星以下のホテルのポーター:5〜10DH程度、重量等に応じて。
5つ星クラスのホテルのポーター:10〜20DH程度
ルームサービス:5〜10DH程度
4つ星以下のホテルの枕銭:1泊3〜5DH程度
5つ星クラスのホテルの枕銭:1泊10DH程度

よほどお風呂場を汚してしまったとか、部屋を砂だらけにしてしまったとかといった事がなければ、手持ちの小銭がない場合、特に枕銭は必要ありません。また、基本的にはお客様の持ち物には手をつけないように厳しく言われている事、また、モロッコ人自身のモラルもまだまだ高いため、チェックアウトの日まで枕銭がなくなることはまずありません。

ただ、モロッコではこうしたルームキーピングに関わる女性は、どうしても働かなくてはいけない事情を抱えた人も少なくありませんので、できるのであれば、こういった人にこそお金を残してあげると、一番必要とされているところに届くお金になるでしょう。(ホテルの仕事の中でも一番薄給で大変な仕事をしている人たちが彼女達です)

■ 写真撮影
フナ広場の芸人・水売り:5〜10DH
一般の人でお金をよこせと言われた場合:5DH程度

モロッコでは数多くの映画撮影があるために、エキストラの募集も非常に多いです。このことから、被写体になること=お金になる仕事、と思っている人も多く、もはやモロッコではタダで雰囲気のある写真を撮る事は不可能、と思っていてもいいくらいでしょう。
映画撮影と旅の思い出の写真撮影は全く性質が異なりますが、田舎の女性など、きちんと教育を受けていない人にはその違いなんてわかりませんし、そもそも写真に撮られることを嫌うので、金額によっては怒って詰め寄られたりと、お互いあまりいい気持ちがしない今日このごろ。

お金を払って偽物の笑顔を持ち帰るのもどうかと思う私自身は、仲良くなって自然に撮ることを許してもらえる状況になるまで、写真はとらないようにしています。(だから人物の写真はとても少ないです)

また、お金をあげることをお礼の形にしたくないと思う方には、インスタントカメラ(ポラロイド・チェキ等)をお持ちになることをおすすめします。フィルム代が高いので、お金の節約には全くなりませんが、お金以外にも大切にできるものがあるでしょう、という気持ちを伝えるには便利なアイテムの一つ。なんでもお金でやり過ごす事はしたくないと思う方にはおすすめのアイテムです。
 
誰かのお世話になるのなら 自称『トモダチ』を考える

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