|
|
モロッコでは、本当に心から親切にしてくれる人もいる一方、ただではなさそうな親切にであうこともしばしばです。ゆっくり旅をしていればいずれはつかめるお礼の基準ですが、そんなに長いこといる方も少ないでしょうから私が感じた範囲のチップ、及びお礼の目安ちょっぴりをしるしておくことにします。
まず、モロッコではチップはすでに都市部を中心に、国民の間でも確立している習慣だということを知っておいて下さい。
たとえばカフェで細かいお釣りをテーブルに残して帰ったり、旅先で思いがけない親切に会ったとき、自分の荷物をいい場所に置いてもらいたいとき、靴磨きの少年がお金の分以上に上手に磨いてくれたとき…。
こんな時はまたいつ会えるとも知れないその人に、モロッコ人もチップ、というかお金で気持ちをあらわそうとしたりするのです。
旅をしていて、自分とその回りの出来事に集中していると、それがまるでツーリストだけに要求されている事のようについ思えてしまうかもしれませんが、実はそうではありません。
お互いができる形で支えあっているような社会ですから、よほど困ったモロッコ人でないかぎり、意外とみんなきちんと渡しているものなんです。
バスの荷物の上げ下ろしやタクシーの荷物代なんかをめぐっては「払う必要はない!」と喧嘩腰のツーリストを見かけることが人種を問わず本当に多いのですが、これに関しては実際モロッコ人もよほど貧しくでもないかぎり払っていること。ですからここを御覧のみなさんにはぜひ、払うことが必要なチップもあるのだということを忘れないで旅してほしいなと思っています。
(実際、こういった領収書の出ない部分の出費が思いのほか多いのがモロッコの生活です)
彼等の習慣は彼等の習慣。
私達にそんな習慣はないのだから、彼等にあわせる必要はないと断言するツーリストも中にはいますが、モロッコを好んで訪れているのは私達旅人の方。彼等は旅人に都合良くモロッコを演出してくれる役者ではないし、好き好んでモロッコにやってくるツーリストの国の習慣にあわせて相手をしなければいけない義務もありません。
貧しい国なのに、そんなに払う必要はない!と、つっぱねてばかりいると、思わぬトラブルに発展しかねないのもまた事実。たかがチップではありますが、あったかいカフェオレでも飲みながら、ついいろいろ考えてしまうことの一つなのには違いありません。
|
|