モロッコのサマータイムとは、"現在までのところ"、こんな「誰もそれがいつ始まり、いつ終わるのかはっきりと分からない」システムで、法律で日付決定の詳細なルールが決まっているものではなく、なんとなく３月か４月末〜９月か１０月末…というあいまいぶり。
このため、このサマータイムの時期は、空港や鉄道、市内の電光掲示板の時計は変更作業に人が追いつかないのか表示がまちまちな事も多いから、「自分が本当に今何時に生きているのか」は、旅行でいらした方には本当に分かりづらい。

自動で現地時間がアップデートされる"事もある"iPhone等のスマートフォンの時計設定も、ラマダンスタートが（新月を確認しない事には）いつになるか分からないものなので自動で元の時間には戻らない形になっており、頼ってしまうと「それが間違えている」という事で集合時間に遅れる等のトラブルに！
すっかり頼り切っているデジタルデバイスの穴がこんな所にあるので気をつけましょう。
「時計がウソをついたから！」は、待ち合せへの遅刻の言い訳にはなりません。

また、地元モロッコ人はといえば、公務員や旅行関係等で時間を国の指示通りに変更せざるを得ない人々と、伝統的にお祈りの時間で区切られた時間（１日の日照時間を割る形で決まっているのがお祈りの時間です）で生活しているために時計をサマータイムに変更しない人の２パターン生まれてしまうため、待ち合せやお店のオープン時刻がはたしてサマータイムなのかそうでないのかについていちいち確認せねばならないという始末！

このため、日本からいらっしゃる皆さんの正しい時計の合わせ方は、あくまでも日本時間を基準に、サマータイム中であれば時差は−８時間、通常時間であれば時差は−９時間…である事を基準にご自身の時計を調整頂くのが一番確実。空港だから時計も合っている…と、思わない方が良いかもしれません。
そして、時間の切り替え時期にご旅行となる方は、特に飛行機の時間を間違う事の無いよう、細心の注意が必要になります。念のため、１時間早く到着するようにしておくといった事も、自衛のためには必要でしょう。

またこの時期、「あくまでも時計を変更せずに生きる」人々の存在のために、旧市街のお店等に賑わいが出て来るのは、通常時間の１０時頃、サマータイムの１１時頃となってしまうので、歴史モニュメントの観光等に合わせて観光スタートを８時にしてしまうと、ひたすら閑散とした街を歩く事になってしまうので考慮が必要。

一方、夏場のモロッコ人は、夜の涼しさを満喫するために宵っ張り。
ごくごく普通に２２〜０時頃まで街が賑わっている事になるので、夜を遅くまで楽しむ事は出来るようになっています。
ただし！夜道の暗さは、冬でも夏でも同じ事。
夏場の夜道の人通りは、そんなに早い時間から少なくなる訳ではありませんが、地区によっては治安が良くない事もあるので、肌で感じる治安状況を必ず優先するように動くと良いでしょう。

そして意外と危ないのが、真夏の真っ昼間の３時頃。
この時間帯は１日でも最も気温が高くなるために、地元の人の多くはお昼寝をしたりしています。このため、町中が夜のようにひっそりする事となり、人通りの少ない道ではひったくり等の危険が増す事になるので、注意が必要です。

この時期、時計の設定が間違えていて１時間遅刻！…というパターンが増えるので、時間の管理にはご注意下さいませ♪

■2012年　4月29日〜9月末（ラマダン期間中はサマータイム中断）
■2013年　3月28日〜10月27日（7月9日〜8月8日までラマダンのためサマータイム中断）
■2014年　3月30日〜10月26日（6月28日頃〜7月28日頃までラマダンのためサマータイム中断予定）